WordPressサイトの引っ越しをしようと、All-in-one WP Migrationでデータをインポートするときに「サイトの最大アップロードサイズを超過しています」とエラーが出ることがあります。
よくあるエラーですが、対応方法がちょっとわかりにくいので記事にまとめました。
インポートエラーの原因と主な対処法
まず状況を整理します。
エラーの原因
エラーの原因は、サーバーが「アップロードするときはこのサイズ以下にして欲しい」と設定しているファイルサイズより大きなものをアップロード(インポート)しようとしたことにあります。
たいていサーバーは「2〜20MB程度まで」で制限をしているのですが、WordPressサイト引っ越しの際にやりとるするデータは少なくとも15MB程度あるため、エラーとなることが多いです。
実際にアップロードしようとしているサイトがどの程度まで受け入れられるのかは、All-in-one WP Migrationのインポートページを見ればわかります。
赤枠の部分がサーバーの設定しているアップロード制限容量です。
エラーの主な対処法
アップロード制限エラーに引っかかっているときの対処法は、主に2つあります。
- 1度でアップロードせず小分けでデータを移す
- サーバー側のアップロード制限を変える
プログラミングやサーバーのことに詳しくない人は、小分けにしてアップロードするのがおすすめです。
両方とも詳しく説明していきますね。
データを小分けにしてエクスポート・インポートする方法
サーバーが「20MBまで」と言うなら、引越し元のデータを20MB以内で小分けにして少しずつ引っ越しさせよう、という戦法です。
小分けにするには、All-in-one WP Migrationのエクスポート画面にある「高度なオプション」を利用します。
各種WordPressデータの中で「メディアライブラリ」が一番データ量が多いので、
- まずメディアライブラリ以外のデータをまとめて移す
- メディアライブラリのデータだけを移す
のように2回に分けるのが一番確実です。
つまり、1回目は「高度なオプション」の「メディアライブラリをエクスポートしない」にだけチェックをいれてエクスポートし、引越し先でインポートします。
そのデータを引越し先に入れたら、次は「メディアライブラリをエクスポートしない」以外のすべての項目にチェックを入れてエクスポート → インポート。
回数が分かれるので少し手間ですが、1回で移すデータがサーバーの設定容量を超えないようにすれば引っ越しできます。
メディアライブラリ単体がすでに容量オーバーになってしまう場合
メディアライブラリにすでに大量の画像があって、どうしてもエクスポート時の容量が大きくなってしまう場合は残念ですが、メディアライブラリのデータを下記のどちらかの方法で移さなければなりません。
- サーバーのアップロード制限を変える
- ファイルを直接サーバーにアップロードできるFTPを利用する
FTPの使い方が分かるのであれば、引越し元のWordPress内にある/wp-content/uploads
フォルダをコピーして、引越し先の同じ位置にあるuploads
フォルダに上書きすればOKです。
ただし、FTPを使えるように設定するのはサーバーの環境などによって作業方法が細かく変わるため、使い方がわからない人は第2の対処法としてご紹介するアップロード制限を変える方法でトライしたほうが間違えにくいと思います。
サーバー側のアップロード制限を変える方法
制限オーバーでエラーとなるなら、そもそもより大きなデータを受け付けられるようにサーバーの制限を変えてしまう方法です。
少し専門的な話になりますが、アップロードサイズの制限はサーバー上にあるphp.ini
というファイルで制御しています。
これを変更することで制限を外していきましょう。
レンタルサーバーを利用している場合のphp.iniファイルの場所・編集方法
レンタルサーバーごとに方法は違うので、以下で確認しながらphp.ini
ファイルを編集してください。
MAMP仮想サーバーの場合のphp.iniファイルの場所・編集方法
引越し先がMAMPで立ち上げている仮想サーバー(localhost
)の場合は、以下の手順でphp.ini
のある場所を探して、エディター(VS Codeなど)で編集してください。
- MAMPでサーバーをONにする
http://localhost:8888/MAMP/
もしくはhttp://localhost/MAMP/
(MAMPの設定によって異なるのでページがちゃんと表示される方)にアクセス- メニューの「TOOL」→「PHPINFO」を選択
すると画面に細かい文字でサーバーに関わる様々な設定が表示されます。
「Loaded Configuration File」欄にphp.ini
ファイルの場所が書かれています。
ファイルを見つけたら、VS Codeなどのエディターで編集してください。
Dockerで用意したWordPress環境の場合のphp.iniファイルの編集方法
Dockerの場合の対応方法は下記記事にまとまめした。
php.iniファイルで編集するポイント
php.ini
で変更する項目は以下の3つです。
- memory_limit
- post_max_size
- upload_max_filesize
上記の項目で20M
などと書かれているはずです。
memory_limit = 20M
M
はメガバイト/MB
の意味ですので、設定したい数値に変更して保存してください。
最終的に、この中の一番少ない数値がアップロード制限として機能します。
MAMPサーバーの場合は、サーバーの再起動をしないと変更したphp.ini
の内容が反映されないので注意してください。
これで大きなデータもアップロードできるようになるので、All-in-one WP Migrationを使って引っ越しを完了させましょう。
引っ越し作業が終わったあとの処理
サーバーのアップロード制限をぐっと上げた場合、そのままにしておくのはセキュリティ的にあまりよくないです。
できれば引越し後、もとの数値に戻しておくのをおすすめします。
もしくは、もともとの制限が低すぎて(2MBなどで)気になる方は、20MB程度で設定しなおすぐらいであれば問題ないです。
まとめ
なれないWordPressサイトの引っ越し作業中に突然エラーが出てしまうと困りますよね。
特に今回取り扱ったエラーはサーバーの設定が絡むところなのでちょっと難しいです。
慌てずに1つずつ対処していきましょう。
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